私達の行く先は天ではなかった。
第参話 本村愛華の場合①
私の名前は本村愛華(もとむらあいか)です。何の変哲もない、どこにでもいそうな名前ですよね。
現に私はその辺の学校の生徒です。
見た目だって特に良いわけでもないし、かけている眼鏡も相まって地味そのものです。
けれど、私には力があるんです。
力とは、"本を撫でるだけ"でその全てを読み解く力のことです。
書いてあることだけでなく、筆者の考える全てのことが頭に入ります。
テスト紙にも応用が利くのでやろうと思えば国語や英語の読解にも役に立ってしまいます。
もちろん、私は幼き日の数回しかそんなことに能力を使いはしませんでしたが……。
それでも、私は普段からこの力に感謝しているんです。
今日からこの日記にはお世話になることにします。どうか、この日記を撫でては楽しい思い出を思い起こすことができますように。
本村愛華の場合①
2020/05/01 up
2022/06/19 修正